中国本科留学中の大学生のつぶやき

中国の大学に入り直した人の話。

最近留学していて思うこと。

中国の大学に留学しているといろんなバックグラウンドを持った日本人に出会う。

両親、もしくは親のどちらかが中国人、両親は日本人だが家庭の事情で小さい頃から中国に住んでいたなど様々である。

言語習得には家庭環境や生活環境の影響を大きく受ける。

もちろん彼らの中国語は非常に流暢で、中国人からしても話していて外国人とわからないらしい。

実際にハーフの友人が食事会中話していて、中国人にあなたは日本人なの?それとも中国人なの?と聞かれていた。

 

そんな彼は小学5年生の頃両親の仕事の都合で中国に来てそのまま現地の学校に放り込まれたそう。そのまま中学校までを現地の学校で卒業し、高校は中国にあるインターという英語で授業が行われる場所に通った。大学も中国だが英語で全て授業を受けているという。つまり、中国語はペラペラで、英語もかなりできるということだ。

私はそんな人を他にも数人知ってる。

 

私は彼と先日の食事会の帰りに一緒になり、地下鉄で話していて、私は彼に「そんなあなたがすごく羨ましい」と言った。

事実、私からすると喉から手が出るほど羨ましい。幼い頃からそう言った特殊な経験をしていることで外国語という特殊な技能をすでに持っている。もちろん苦労もたくさんあっただろうが大人になってしまえばそんなのは良い思い出になるのではないか?私はごく一般の家庭に生まれ、学生生活の全てを日本で過ごしてきた。とにかく私にはそんな彼らがすごく羨ましかったのだ。

 

すると彼はこのように私に言葉を返した。

「僕はそんなあなたの方が羨ましいです。普通に日本の小学、中学、高校を卒業して普通の日本人がしてきた経験を持っている。僕にはそれがすごく羨ましいです。」

 

彼にどういうことか聞くと、私たち普通の日本で学生生活を送ってきた人は経験したであろう、体育祭や文化祭、遠足、球技大会、修学旅行などの学校のいろんなイベントは中国ではほとんどないのだという。

中国では学生生活において一番に重視されるのは学業であり、受験にあまり必要のないような美術や音楽、体育、学校の行事などは軽視されることが多い。

そう言った理由で、彼は学生時代に色々な楽しい経験をしている私たちが羨ましいのだという。

 

その言葉を聞いた時はなんだか不思議な感情だった。

 

学生時代に楽しい経験をしていることと、学生時代に辛い経験をしているがそのおかげで今は人とは違った能力を持っている。

 

もし自分が人生をやり直すとしてどちらかを選べるのならどちらを選ぶんだろう。